●≪好環境・好循環期≫
会館オープン(「コーギ駒込」・「ル・コーギ」)から、1999年頃までは、地方より上京し東京で下宿先を探す人達は、学生下宿斡旋雑誌を片手に、仲介業者を訪ね、進学校と予算を告げ、いくつかのアパートを紹介してもらうというのが一般的だった。
2月の声を聞く頃ともなれば、学生専門仲介業者の店内は、人で溢れ、紹介までに2時間というのも珍しくないのもこの時期だった。
当館は、オープン当初より、学生を専門に扱うそれら仲介業者が発行する雑誌に、広告を掲載するのと平行し、募集(紹介)を依頼していた。
加え、当館自身「新築・築浅」ということもあり、募集はことのほか順調であった。
指定校推薦者で、ほぼ年内満室が一二年続くと、紹介業者も「あそこは人気があり、早く申込をしないと終了となりますよ」と、後押してくれた。
そんな好環境、好循環が重なり、募集に関しては苦労知らずであった。
●≪転換期≫
2000年から2004年までは、学生市場をターゲットとする不動産業者が増加し、しかもその業者が、自社管理物件を多く持ち、それに注力(?)し、徐々に紹介が後ろにずれ込み、紹介者も減少傾向となった。
一方、新規の会館は、「トイレ、フロ別」、「ガスキッチン」と、差別化を進め、当館も経年に伴い競争力も徐々に落ち、3月半ばま で満室とならず、苦戦を余儀なくされた。
他方、バブル崩壊による「失われた十年」の後遺症癒えず、市場全体の賃料も下降傾向であり、当館も入館金を含め、この時期に賃料の改定を行った。
「紹介(見学)さえしてもらえれば、気に入っていただけるのに」との思いが常にあった。
●≪ネット期≫
2005年以降は、業界全体の募集媒体が、「雑誌からネットへ」と、加速度を増していった。
学生仲介業者淘汰の足音が聞こえ始め、業者頼みに限界を感じるも、当方はネットオンチ、歯がゆさが募る。
「このままでは、満室で4月を迎えられない」と、顔見知りの営業マンに依頼し、4ページほどのホームページを立ち上げた。
このホームページは、雛形どおりで簡素なものであったが、それでも更新ままならず、いつパソコン上からデータが消失してしまうかと、ドキドキモノであった。
これではイカンとばかり、北区産業振興課主催のパソコン講座(ホームページ作成実践講座)に駆け込むも、その程度ではこのデジタルオンチ、如何ともならず途方にくれていた。
そんな折、産業振興課より「IT出張相談」の話があり、全十回の出張によるホームページの全面ルニューアルに着手する機会を得た。
そして、この完成が2006年11月。
これを期に、環境が一変する。
業者に紹介されるままに、来館される方はほとんどなく、業者を経由するも、すでにネット上で多くの情報を取得済みの方が大半となった。
それにより当館の特徴(ちょっとアクのある?)へも理解が進み、ミスマッチもほとんどなく、距離間を大切にしながら、館生との良好な関係を維持できている。
・早期募集終了に際し、感謝の気持ちを込め、
ガラにもない「満室考」記述と、あいなった。
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